「ミスゼロ子」の導入でヒューマンエラーが激減
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東神戸薬局様(兵庫県神戸市)
「ミスゼロ子」の導入で ヒューマンエラーが激減
神戸市東灘区の東神戸薬局では、調剤ミスを防止するために、 また、同研究所 (株)クカメディカルが独自開発したバーコードピッキングシステム「ミスゼロ子」を導入。薬の取り間違え、取り忘れは限りなくゼロに近付いた、と同システムの有用性を実感している。
“オーダーメイドの医療提供”が目標
神戸市、JR住吉駅から徒歩4分の場所にある東神戸薬局は、 (株) 神戸医薬研究所(兵庫県神戸市)が、1983年に開設。同研究所は、同じ神戸市内で他に3店舗を運営しており、全日本民主医療機関連合会(民医連)の加盟事業所として地域住民の健康づくりをサポートしている。
東神戸薬局は、近隣の東神戸病院が医薬分業を始めた際に開局し、現在でも応需する処方箋(1日約300枚) の内、9割は同病院発行のもの。ただ、近隣には眼科や歯科の診療所もあり、これらの受診患者の来局も多いという。スタッフ構成は、薬剤師が常勤11人・パート6人、事務員が常勤4人・パート11人。東神戸病院が夜間診療を行う月曜・水曜・金曜は、夜の10~11時まで調剤することも少なくないそうだ。
東神戸病院も民医連に加盟しているため、以前から合同で定期的にカンファレンスを行っており、それが「医療の質を高めることにつながっている」と同研究所代表取締役(薬剤師) の山口扶左子氏は話す。在宅訪問に20数年前から取り組んでいるのも、同薬局の特徴の1つ。毎日10数件、個人宅を中心に薬剤師が交代で訪問する。
服薬指導に当たって、山口氏は「薬歴を残すためだけの指導にならないように」と薬剤師全員で申し合わせている。「一方的に説明するのではなく、患者さんと同じ目線に立ち、患者さんの思いに添うこと。すべては、そこから始まると思うのです」 (山口氏)
また、同研究所次長(薬剤師)の下浦志織氏は「薬が飲みづらかったり、飲むと何となく調子が悪かったりと、患者さんは気になることがあるものです。そうした医師の先生方に言いにくいことを、薬剤師が拾い上げていくことが重要」と話す。可能な限り、オーダーメイドの医療を提供したいとの思いから、服薬困難な患者には同社手製の「お薬カレンダー」を渡すこともある。ただ、分包化、増加する後発品、一般名処方など、調剤業務で「チェックすること」「覚えておくこと」が多くなり、「人為的ミスが誘発される懸念が増してきた」と山口氏は指摘する。服薬指導や処方鑑査を充実させ、待ち時間も短縮させたいが、薬のピッキングであわてると調剤ミスが起こりかねないー。このジレンマを解消するため、同社が運営する店舗全店で2010年3月から導入したのが「ミスゼロ子」だった。
薬の取り間違え、取り忘れはほぼゼロに
「ミスゼロ子」は調剤カセットにバーコードシールを貼り、それを端末で読み取って調剤ミスを防止するバーコードピッキングシステム。「ミスゼロ子」のマスタには、発売されているほとんどの薬品が登録されており、箱やシートに記載されているJANコード、GS1-RSSコードのどちらにも対応している 唯一のシステムだ。
「他社の調剤ミス防止システムも検討しましたが、メンテナ ンスのしやすさ、表示の仕方で一番使いやすいと感じたのが 『ミスゼロ子』でした。例えば、10錠シートと14錠シートが混在 した場合に調剤ミスが起こりやすいのですが、『ミスゼロ子』 では【○○錠20mg 60T<4シート+4T>】と表示されます(写 真参照)。非常に分かりやすいですね」と山口氏。
下浦氏は「人間だけのチェックでは、何人かけてもミスは起 きます。機械だけでやってもダメで、タイプの違うものを組み合わせてチェックすることが必要」とした上で、「『ミスゼロ子』 は棚番登録・表示ができるので、薬の場所を探すというムダな作業も省けます。おかげで、ヒューマンエラーは激減し、薬の取り間違え、取り忘れは限りなくゼロに近付いています」と「ミスゼロ子」を高く評価している。
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