調剤ミス防止システム「ミスゼロ子」は複数軟膏剤等の混合でも安心して使える
まの薬局では、2023年12月から、調剤ミス防止システム「ミスゼロ子」の使用を開始、調剤ミスによる規格間違いや名称類似による取り違えがなくなり、薬剤師の精神的な負担が軽減された。操作も簡単で、ピッキングを担う事務スタッフにも好評である。
面処方で、在宅医療にも注力
大津市で2004年6月に開局したまの薬局は、滋賀県内に8店舗を展開するますだ薬局グループの一つで、同グループは、有限会社メディテック(本社:滋賀県大津市、代表取締役:増田豊氏)
が運営している。まの薬局はJR 湖西線堅田駅前のロータリーに位置するビルの1階にあり、同ビルには皮膚科、眼科、歯科も入居しているが、通勤者の利用も多く、滋賀県外も含めた多数の医療機関の処方箋が持ち込まれる。このため、利用者の年齢や疾患も幅広い。
まの薬局の処方箋応需枚数は約2,000 枚/ 月、備蓄医薬品目数は約1,300品目、ジェネリック医薬品使用率は約89%、薬剤師7人(常勤4人、非常勤3人)、事務常勤4人で運営している。
ますだ薬局グループでは、全店舗で患者からの問い合わせに対して24時間の電話対応をしている。また、まの薬局では、在宅訪問にも力を入れており、常時30人程度の在宅患者に対応している。
まの薬局は地域連携薬局、健康サポート薬局の認定を受けている。同薬局管理薬剤師の北川貴子氏は、「服薬指導にあたっては、生活背景を把握したり、持ち込みの処方箋以外の薬の相談にも対応できるように、患者さんとのコミュニケーションを大切にしています」と語る。
新しく加わった「分割出薬機能」も便利
近年、在宅医療に関連した多職種連携や急な訪問依頼、医薬品供給の不安定化を背景にした問い合わせの増加など、薬剤師の業務は煩雑になっている。そこで、ますだ薬局グループでは、さまざまな機器を積極的に導入して、薬剤師が対人まの薬局では、2023年12月から、調剤ミス防止システム「ミスゼロ子」の使用を開始、調剤ミスによる規格間違いや名称類似による取り違えがなくなり、薬剤師の精神的な負担が軽減された。操作も簡単で、ピッキングを担う事務スタッフにも好評である。調剤ミス防止システム「ミスゼロ子」は複数軟膏剤等の混合でも安心して使えるユーザー訪問 まの薬局(滋賀県大津市)業務に時間を割けるように工夫している。 「まの薬局でも薬剤師が多忙になっていて、ケアレスミスが心配される状況で、何らかの監査機器を入れたいと考えていました。そんな時に、ますだ薬局グループの他薬局で『ミスゼロ子』を導入していると聞き、私たちの薬局でも試してみることにしました」(北川氏)
「ミスゼロ子」は株式会社クカメディカルが提供する調剤ミス防止システム。専用のハンディ端末で医薬品のバーコードを読み取り、処方箋入力情報と照合することで、調剤ミスを未然に防ぐシステムである。 「スタッフには幅広い年齢層の方がいるので、使い方に戸惑う人がいないか心配でしたが、薬剤師も事務スタッフも全員がスムーズに使えたので導入を決めました」と北川氏は言う。
「ミスゼロ子」は薬局個々の業務フローに合わせてさまざまな使い方ができるが、まの薬局ではピッキング時にバーコードを読み取って照合する使い方をしている。また、同薬局は皮膚科の処方箋を扱うことが比較的多いが、複数の軟膏やクリームを混合して使用する場合は、先調剤機能を使い、薬剤ごとのバーコードを読み取り、専用プリンターにてレシートに印刷して、監査にまわしている。監査時にバーコードを照合する形で正確を期しており、混合した薬剤名を後から確認でき安心だと北川氏は話す。 さらに、「ミスゼロ子」の新しい機能である「分割出薬機能」も便利で活用している。ハンディ端末で不足数量の管理ができる機能である。調剤時に不足薬がある場合、後日入荷してから渡すことがある。そんな時でも、「ミスゼロ子」のシステムを使って不足薬数が表示されたレシート・帳票を印刷しておくことで、残り何錠渡せばよいのかを照合・確認できる仕組みだ。「医薬品の流通が不安定な昨今、一部だけ患者さんにお渡しすること
がしばしばあるので、とても便利な機能です」と北川氏は言う。
ますだ薬局グループでは、大津市にある6 店舗すべてで「ミスゼロ子」を採用している。
「規格間違いや名称類似による取り違えの心配がなくなることで、薬剤師の心理的な負担を大きく軽減できました」と北川氏は話す。