「ミスゼロ子」の導入で安心を確保し患者との会話や服薬指導に集中
キタバ薬局 メディカルスクエア店では、調剤ミス防止システム「ミスゼロ子」を導入、監査の負担を軽くし、薬剤師の安心を確保しながら、重視している患者とのコミュニケーションと、服薬指導に集中できる環境を整えている。
コンビニや介護関連の店舗等も併設する複合店
キタバ薬局 メディカルスクエア店は、株式会社せいき(本社:大阪府富田林市)が大阪府下に14店舗展開する調剤薬局のうちのひとつ。せいきは1970年10月の創業で50年以上の歴史を持ち、近年は調剤薬局のほか、介護事業にも力を入れている。キタバ薬局 メディカルスクエア店は1997年12月の開店で、2015年6月にリニューアルオープンした。富田林市の大型ショッピングモールに隣接し、周辺には内科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、脳神経外科、泌尿器科など幅広い領域のクリニックがある。同店ではこれら近隣クリニックを含めて、多様な医療機関の処方箋に応需しており、患者の疾患や年齢層は幅広い。受入医院数は月平均250医院、備蓄医薬品目数は約2,000品目、薬剤師は9人在籍しており、また、管理栄養士2人が常駐している。 キタバ薬局 メディカルスクエア店の1階には、調剤薬局のほかドラッグストア、コンビニエンスストアがあり、2階には居宅介護支援事業所が置かれ、福祉用具のレンタルや販売を行う店もあるなど複合型店舗となっている。 改装時、設計からかかわった同店薬局長の山下裕之氏(株式会社せいきヘルスケア事業部第一営業部マネージャー兼務)は、「30人以上座れる広い待合室は天井も高く開放感のある作りになっていますので、リラックスしてお待ちいただけると思います。地域密着の精神を大切に患者さんとの距離の近い接客を心がけています」と語る。
“ひと手間”加わっても業務の流れはスムーズ
キタバ薬局では、株式会社クカメディカルが提供する調剤ミス防止システム「ミスゼロ子」を全店導入することになり、メディカルスクエア店では2017年11月から使い始めた。「以前から『ミスゼロ子』の存在は知っていたので、いよいよ当店でも使えるのかと嬉しかった」と山下氏は振り返る。 「ミスゼロ子」はピッキングした医
薬品のバーコードを専用端末で読み取ることにより、入力された処方箋情報と照合して監査するシステム。キタバ薬局では、それぞれの店舗の事情によって「ミスゼロ子」の使い方を変えているが、メディカルスクエア店では、先に調剤して集薬した後、監査時に連続して薬品のバーコードを読み取り監査する方法をとっている。読み取り速度が早いので、従来の業務の流れに“ひと手間” 加わっても、投薬までの時間が長くなることはない。キタバ薬局では幅広い世代の薬剤師が所属しているが、機器の操作が簡単なため、対応に戸惑う人はいなかった。 近年、調剤薬局を悩ませていることのひとつに、ジェネリック医薬品の供給が不安定なことがある。キタバ薬局でも従来と異なるメーカーの製品を使うことがしばしばあるという。 「もともとジェネリック医薬品は、処方箋入力やピッキングの間違いが起こりやすく、薬剤師の悩みのタネだったのですが、メーカーが度々変わることもあり混乱が心配される状況でした。しかし、『ミスゼロ子』の導入で安心して監査できています。当店では、日曜・祝日も営業しているのですが、その場合、薬剤師が1人のこともあります。そのような時でも『ミスゼロ子』のおかげで、安心して業務ができています。薬剤師の心の負担を軽くするという意味でも、『ミスゼロ子』が大きく貢献してくれています」と山下氏は語る。 生来の気早な性格で「薬は1秒でも早く患者さんに渡したいタイプ」という山下氏だが、「ミスゼロ子」の“ひと手間”だけは惜しんではいけないとスタッフに強調している。 「『ミスゼロ子』を使うことによって得られるメリットがあまりにも大きいのです。安心を得ることができ、患者さんとのコミュニケーションや服薬指導に集中できることが薬剤師には何より大切ですから」と山下氏は話す。
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